独りで食事をしているとき、外出先から帰宅しても誰もいないとき、テレビを見ていて共感してくれる人がいないときなど、一人暮らしをしていると寂しさを感じることがあるかもしれません。
まして歳を重ねることで、身体が昔のように動かなかったり、気弱になったりして、老後は余計に寂しさを感じる機会が多くなることもあるでしょう。
そこで今回は、老後の一人暮らしが寂しい時の対処方法についてお伝えいたします。
目次
老後は寂しさを感じやすい
少子高齢化社会に伴い、一人暮らしをする高齢者の方は増加傾向にあります。
2021年に厚生労働省が実施した「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者がいる世帯のうち一人で暮らしている「単独世帯」はおよそおよそ28.8%。
年々横ばいもしくは微増傾向にあり、生涯未婚率が上昇していることを考えると、今後もこの傾向は強まっていくことが予想されます。
そして、老後の一人暮らしは若い頃よりも寂しさを感じやすいと言えるでしょう。
高齢になってくると家族や友人との耐え難い別れというものがやってくるため、そういう辛い出来事が積み重なることで孤独感が強まってしまいます。
この他にも子供が自立する前の日々を思い出したり、定年退職後に生活のハリを感じられなくなり、寂しさを感じる人もいるでしょう。
さらに、年齢を重ねると変化を嫌う傾向が強まるため、新たな出会いの機会が無くなって孤独から抜け出しにくい状況が生まれやすくなります。
そういった状況に加えて体力的にも弱まってきている分、精神的な疲弊をより一層感じやすくなってしまい、孤独感が倍増してしまうのです。
孤独がもたらすデメリット
認知症やうつ病のリスクが上がる
孤独の時間が長くなってコミュニケーションの機会が減ると、頭の老化を加速させます。
実は社会との繋がりが少ないと認知症の発症リスクが1.5倍上昇するというデータもあり、それだけ脳にストレスを与えてしまうんですね。
また、会話の機会が減ることで精神的なストレスが強くかかり、うつ病を進行させてしまう可能性もあります。
うつ病とまではいかなくても人と接する機会が減ってしまうことで、気持ちが落ち込みやすくなるのはどうしても否めません。
栄養バランスが偏りやすい
2つ目のデメリットとして栄養バランスの偏りがあげられます。
料理を作るのが好きでないと毎食自炊する気も起きないですし、一人での食事だとなかなか栄養バランスまで気が回りにくいですよね。
よって、スーパーの惣菜やカップラーメンなどのインスタント食品に頼りがちになったり、つい自分の好きな物ばかりを食べがちです。
こうした積み重ねによって糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こしたやすくなってしまいます。
とはいえ、孤独でいることが絶対的に悪いことかと言われるとそうではありません。
一人の時間は自分が何をしても、何を考えても自由ですから、孤独な時間を上手く活用することで、より質の高い人生を送ることができます。
ただ、この記事を読んでいる方の多くは、まずは一人暮らしの寂しさを解消したい方がほとんどでしょう。
では、どうすれば寂しい感情を軽減することができるのか見ていきましょう。
老後の一人暮らしが寂しい時の対処法
人との関わりを増やす
一人暮らしで寂しいという場合は、やはり人との関わりを増やしてコミュニケーションを取っていく必要があります。
近所の方や昔からの友人との交流を大切にするのも良いですし、高齢者が集まりやすいコミュニティに参加して人脈を広げるのもおすすめです。
同じように独りの食事に寂しさを感じている方がいるかもしれないですし、自宅に招いて食事会をしたり、外食に出かけるのも良い気分転換になります。
関わりの増やし方① 趣味サークルに入る
シニア向けの趣味サークルはテニス、社交ダンス、将棋など様々。
個人的におすすめしたいのはハイキングサークルです。
歩きながらサークル仲間と話すだけでもリフレッシュになりますし、歩くことで健康増進にも繋がるので一石二鳥と言えます。
ハイキングは登山ほど困難なコースを歩くこともないので、初心者の方でも始めやすいです。
もしも体力に自信が無いという方は、散歩サークルを探してみるのも良いと思います。
関わりの増やし方② 習い事
ゴルフ、英会話、書道、茶道、ピアノなど老後から始められる習い事はたくさんあります。
習い事の教室に通うことで、新しい出会いに恵まれることも期待でき、一緒に上達を目指す過程で友好を育むことも可能です。
また、教室で磨いた上を友人・知人に披露するのも良いでしょう。
例えば、料理教室でスキルを磨いて上達すれば、友人を食事に招待してみるのも良いですね。
なお、地域によっては駅前などにカルチャーセンターがあり、そこで様々な習い事の紹介をしていることもあります。
関わりの増やし方③ 地域活動に参加する
自治会、体育振興会、安全委員会、民生委員・児童委員、地域振興会などの活動に積極的に参加することも関りを増やす方法のひとつです。
これらはボランティア的意味合いが強くなりますが、地域内で必要とされる役割ですし、人との繋がりも出来ることで生活の充実度にも好影響があるでしょう。
関わりの増やし方④ SNS
外出が億劫な方、困難な方はインターネット上で個々人と交流を行うことも寂しさへの対象方法としておすすめです。
SNS、ブログ、チャットなどを通じて、世界中の方と繋がることも可能です。
一人暮らしをする中で共感してくれる相手がいないことに寂しさを感じている方も、ネット上で共感してくれる相手に出会えることがあるかもしれません。
関わりの増やし方⑤ 働きに出る
少し前は定年退職して老後は悠々自適に暮らす時代でしたが、健康寿命が延びたこともあり、近年は生涯現役で働く人も増えつつあります。
新たな仕事を始めることで老後資金の当てになりますし、仕事仲間が出来ることで仕事中は寂しい時間を埋めてくれるでしょう。
老後から始める仕事としては、清掃員、調理場のスタッフ、事務などが挙げられます。
仕事が楽しければフルで入るのも良いですが、週3日程度働くことで生活にメリハリが生まれて充実感を感じる事もあるでしょう。
関わりの増やし方⑥ パートナーを作る
老後であっても、恋愛をして結婚する方もいます。
老人ホームなどの高齢者施設ですと、高齢者同士のカップルが誕生することを目にするのは珍しいことではありません。
積極的に動いて、パートナーを作ることも対処方法のひとつです。
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没頭できるものを見つける
皆さんはどんな時に寂しさを感じるでしょうか。
これは人によって様々かと思いますが、振り返ってみるとテレビを見ている時だったり、ゆっくりご飯を食べている時だったり、結構時間に余裕がある時だったりします。
特に老後は現役バリバリで働いていた時よりも時間的な余裕が生まれやすいので、もしかするとそれが寂しさを感じやすい要因になっているかもしれません。
ですので、寂しさを感じる暇もないほど、何か没頭できるものを見つけるとポジティブに日々の生活を送れるようになるでしょう。
没頭できるものとしては趣味だったり、習い事だったり、仕事などが考えられますが、いずれにしても目標を決めるとより没頭しやすくなると思います。
例えば英会話教室に通う場合は、「1年で日常会話レベルの英語を習得して海外旅行に行く」みたいな感じですね。
こういった明確な目的意識を持った方がやりがいがありますし、何より人生に生きがいを与えてくれるので、自分がこれだと思うような目標を見つけていきましょう。
まとめ
老後の一人暮らしが寂しい時の対処方法についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
いくつかの方法を紹介いたしました中で、どれかひとつでも実際に行動に移していただければ、寂しい状況はきっと変わってくるものと思います。
ぜひ本内容を参考に、より充実した時間を手に入れていただければと思います。
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前述の通り、孤独感への対処法としては人との関わりを増やすことが重要ですが、これは相手に依存するという意味ではありません。
例えば、「子供がいないと老後孤独になる」みたいな定説ってありますよね。
実際に独身のまま老後を迎えた方は、「結婚して子供や孫がいれば今ごろ寂しくない老後を過ごせているかもしれない」と考えた事もあるしれません。
たしかに子供や孫に囲まれて過ごす老後は、寂しさとはかけ離れた生活に感じるでしょう。
しかし、たとえ子供や孫がいたとしても、孤独感が自分の感情から湧き出るものである以上、自分自身で孤独を受け入れ対処できない限り、本質的に孤独感を拭うことは難しいと言えます。
自分が寂しいからと子供や孫に依存しても、心の奥底では寂しさを感じているはずで、それは子供たちにも大きな負担です。
最悪の場合、子供の時間・人生を奪うことにもなりかねず、とてもお互いのためにはなりません。
家族がいてもいなくても、結局は自分次第ということですね。
「自分が感じている寂しさをしっかり認めて受け入れる」
この意識を持った上で人と関わっていくことが老後の寂しさを克服するカギになると思います。