「生前葬」という言葉を聞いたことはありますか?
生前葬とは、生きているうちに葬儀を行うことです。
生前葬という言葉は聞いたことがあっても、実際にどのようにやるのか?費用はどれくらいかかるのか?ということまではご存知ない方がほとんどではないでしょうか。
ここでは、生前葬のやり方や費用についてお伝えいたします。
生前葬はどのように行われるか
生前葬には定められた形式がありません。
また、“一般的に、こう行われている”ということもありません。
それは生前葬が、まだ世間一般的に広く行われているわけではないからです。
一般的な葬儀ですと、現在の日本では仏式に基いて行なわれることが圧倒的多数です。
これに対して生前葬では、無宗教のスタイルで行われることが多い状況にあります。
無宗教で行う生前葬の式次第の一例を、下記にご紹介しておきます。
下記は、末期がんの宣告を受けた方が、お世話になった人達に会っておきたい、生きているうちに御礼を言っておきたいという理由で行うことになった生前葬の例です。
生前葬の流れの一例
- 開式の案内
- 自分史の上映
- 献花(好きだった曲を生演奏で流しながら)
- スピーチ(孫から)
- スピーチ(趣味のサークル仲間から)
- 主催者(本人)挨拶
- 閉式の案内
- 閉式後、別会場に移動して会食
このように、式次第に沿って儀式として無宗教の生前葬を行なうことが多いです。
結婚式の披露宴のように余興やスピーチを挟みつつ、会食スタイルで行われることもあります。
また意味合いとしては生前葬なのですが、生前葬という言葉は使わずに「感謝の会」や「お別れ会」などいう名前で行われることもあります。
参加していただく方々に対しては、結婚式と同じように招待状や案内状をお送りして参加の意思確認を行うケースが多いようです。
なお、生前葬を行なった場合でも、実際の死後には最低限火葬を行うことは必要ですし、改めて葬儀を行う場合もあります。
特に菩提寺がある場合には、生前葬は無宗教で行ったとしても、死後には改めて仏式で葬儀が行われることになります。
無宗教で生前葬を行ったからといって、実際の死後に火葬だけで済ませてしまいますと、菩提寺の墓地に納骨を行う際、トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
喪主は必要?誰がやる?
「喪主」を必ずしも決める必要はありません。
喪主を決める場合には、生前葬の対象者本人を喪主とする場合が多いようです。
その他喪主ではなく、「施主」としたり、「実行委員長」や「〇〇の会主催者」としたりすることも可能です。
生前葬を依頼するのは葬儀社?
生前葬を依頼する先として考えられますのは、葬儀社、宴会場を有しているホテルです。
生前葬を行なうには、まず葬儀社か宴会場を有しているホテルに相談をすることから始まります。
葬儀社に依頼する場合でも、実際に生前葬を行うのは葬儀場ではなく、ホテルや貸会場を利用するケースが多いようです。
ごく小規模で会食中心の生前葬であれば、レストランや料理屋に依頼しても対応可能でしょう。
生前葬の費用はどれくらいかかる?
大阪府にある大手葬儀社では、54~116万円を生前葬の費用として紹介しています。
ただし、先にも述べましたように一般的に広く行われているわけではありませんので、生前葬の平均的費用や相場みたいなものは現在のところ形成されていません。
神奈川県にある葬儀社では、基本料20~30万円(会場費、必要備品等)にプラス参加者1人当たり15,000円(飲食費10,000円+お土産代5,000円)が目安と案内しています。
この神奈川県にある葬儀社の例で見ますと、50名の参加者で100万円程度が生前葬の費用として必要になることが分かります。
それから生前葬では、会費制とする場合と、全て主催者側の費用負担とする場合とがあります。
会費制の場合には、参加者は事前に案内された金額を包んで持参することになります。
生前葬をやるメリット・デメリットはこちら
まとめ
生前葬のやり方や費用についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
本文中でも触れましたように、生前葬には定められた形式がありません。
そこで重要なのは、依頼する葬儀社やホテルなどの企画力や提案力です。
余裕のあるうちに複数先から提案書や見積書を集め、充分な比較検討を行う方が良いでしょう。
また生前葬を行なうには、家族を中心とした関係者の協力も不可欠です。
よくよく話し合ってお互いに理解を深めておくことも大事です。
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