自分自身に何かあったときは「家族葬でやって欲しい」と考えている方もいると思います。
ここ数年、「家族葬」という言葉を目にする機会が増えました。
どちらかと言いますと世間では肯定的に受け止められることの多い家族葬ですが、実際のところはどうなのでしょうか。
自分自身の希望である家族葬が行われたとして、残される方々にはどのような影響があるのでしょうか。
ここでは、家族葬を行うメリット・デメリットについてお伝えいたします。
目次
家族葬のメリット
身体的、心理的負担が軽い
一般葬と比較しますと、家族葬では基本的に家族・親族以外の一般会葬者がいないため、接待など対応する範囲が狭くなります。
よって、その分遺族の方々の身体的、心理的負担が軽くなります。
また、一般葬の場合には、お返し物や料理が足りるかどうか心配になることが多々ありますが、このような心理的プレッシャーからも解放されます。
故人との最期の時間により専念できる
家族・親族以外の一般会葬者がいないため、遺族の方々が挨拶などの対応や受付周りの確認などに取られる時間が減ります。
その分、遺族の方々は故人との最期となるお別れの時間に専念できることになります。
見積額と請求額に差がつきにくい
一般葬の場合、一般会葬者が何人来られるかは見積もり時点では不明確なため、ときには想定よりも大きな追加料金が発生することもあります。
それは、お返し物や料理、飲み物にかかる料金が、葬儀が全て終わってみないと確定しないからです。
一方で、家族葬の場合、家族や親族という限られた人数の参列であり、お返し物や料理、飲み物などの変動する費用の割合が少ないので、見積額と請求額に大きく差がつくことはありません。
つまり、見積もり時点で、支払うべき費用が比較的はっきりすることになります。
一般葬よりも時間設定に自由が効く
特に通夜式の開式時間につきまして、一般葬の場合には会社関係など参列者が式場に来やすい時間を考慮して決めます。
対しまして家族葬の場合には、このような配慮をする必要がありません。
たとえば17時からの通夜にするなど、自由が効きます。
家族葬のデメリット
葬儀後の弔問客対応に苦労する場合がある
家族葬が終わった後、訃報を知った方が不定期に弔問に来られる場合があります。
これに対して都度、挨拶や香典返しの対応などをしなければならないことが、残された方々にとって大きな負担となります。
特に故人または遺族のどなたかが、社会的に地位のある方や、お付き合いの広い方である場合には、不定期な弔問客も多くなる傾向があり、その対応は想像以上に大変なものです。
⇒家族葬の場合でも会社に連絡すべき?例文を交えて報告内容を紹介
一般葬よりも実質的な自己負担額が増える可能性がある
家族葬は一般葬とは異なり、家族や親族以外からの香典収入がありません。
このため、頂いた香典から返礼品費用や飲食接待費用を除いた分を葬儀代に充てることが出来ませんので、葬儀の実質自己負担額(家からの持ち出し分)が一般葬よりも大きくなる場合があります。
参列出来なかった方から不満が生じる可能性がある
家族葬は、一般葬と異なり参列者に制限を設けます。
家族葬と言いましても、どこまでの方が参列するかは各遺族の判断に委ねられます。
同居をしていた家族だけの家族葬にすることもあれば、家族と主だった親族だけの家族葬にする場合など様々です。
そこで、参列出来なかった方から「故人とお別れをしたかった」という不満が生じることがあります。
近隣との関係に悪影響を及ぼすこともある
昔ながらの風習やしきたりを大事にする地域では、隣組や念仏講などと呼ばれる地域組織が葬儀を全面的に手伝ったり、儀式の一部を担ったりすることがあります。
家族や親族以外の参列を断る家族葬で行うと、昔ながらの風習やしきたりにのっとった方法での葬儀が出来なくなるため、近隣の方々との関係に悪影響を及ぼすことがあります。
近所付き合いがしにくくなり、今後の生活で困る場面も出てくる可能性があります。
ただ、近年家族葬は広まりつつあるので、基本的には理解が得られやすいです。
しっかり説明すれば、大きな問題になることもないでしょう。
まとめ
家族葬を行うメリット・デメリットについてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。
家族葬の一番の特徴でありメリットは、一般会葬者がいないことで、故人との最期の時間を大切に過ごせるという点ではないでしょうか。
物事には何事にも長所と短所があると思いますが、残される方々に対する影響にも家族葬は一長一短あります。
自分の葬儀は家族葬でして欲しいとお考えの方は、残される方々への影響についても想像力を働かせながら検討をしていただければと思います。
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