先祖代々のお墓、このお墓に入れるのは誰でしょうか。
長男であれば、先祖代々の墓に入れそうですが、その次男の場合にはどうでしょうか。
少子高齢化、核家族化、晩婚・未婚化など様々な環境の変化を受けながら、お墓に対する考え方や対応方法も多様化しています。
でも、従来から続く一般的な考え方や対応方法を知っておくことは大事なことです。
ここでは、お墓について長男や次男はどこに入るのか?に関してお伝えいたします。
一般的にはどうするか?
お墓に入れる対象者を定めた法律はありません。
ですから、お墓に誰が入れるのかということについて、一般的には慣習に従うことになります。
本家を出た次男については、新たに分家(ぶんけ)としてお墓を建て、その新しいお墓に入ることが一般的な慣習です。
一般的な慣習として、本家の先祖代々のお墓に入れるのは、長男とその配偶者(未婚のままであれば、その長男の子供達も含む)に限られます。
「長男」と言いましたが、正確に言いますと、本家の先祖代々のお墓に入れるのは「祭祀(さいし)承継者」とその配偶者です。
祭祀承継者とは、故人から仏壇仏具等の祭祀財産、墓地の永代使用権などを受け継ぐ人のことです。
一般的には「家を継いだ物(跡継ぎ)=祭祀承継者」です。
中には、長男が本家を出て、次男や三男、婿養子が家を継ぎ、祭祀承継者となるケースもありますが、この場合には長男が分家として新たにお墓を建てることになります。
なお、長男であり祭祀承継者であっても、先祖代々の宗教宗派とは異なる宗派を長男が信仰している場合には、先祖代々の墓には入らず、新たに別のお墓を建てることになります。
次男であっても先祖代々のお墓に入るケースもある
一般的なところは先に述べたように、先祖代々のお墓に入るのは、長男とその配偶者ですが、状況により次男であっても先祖代々のお墓に入るケースがあります。
たとえば次のようなケースが該当します。
- ①未婚で単身である場合
- ②結婚はしているが子供がいない場合
①、②ともに次男が分家として新たにお墓を建てても、後々そのお墓の面倒を見ていく人がいないため、いつか無縁墓になってしまうと考えられます。
そこで①、②のようなケースでは、次男であっても本家にある先祖代々のお墓に入る場合があるということです。
なお②の場合には、次男の妻も一緒に先祖代々のお墓に入ることになります。
その他、いずれの場合でも、祭祀承継者が承認をすれば、先祖代々のお墓に入ることが出来ます。
お墓に誰が入れるのかを定めた法律はありませんから、先祖代々のお墓に誰が入れるのか、入れないのかという点について、最終的な決定権は祭祀承継者にあります。
次男であっても、極端な話で言えば友人知人であっても、最終的には祭祀承継者が承認すれば、先祖代々のお墓に入れることになるのです。
墓地・霊園によって制限があることも
墓地・霊園により、お墓に納骨できるのは「永代使用権者の〇親等までとする」というように、管理規約でお墓に入れる対象者に制限を設けているところもあります。
これは墓地・霊園によってルールが異なりますので、各自で確認を行うことになります。
寺院墓地は比較的緩やかですが、公営や民間が管理運営する墓地・霊園は制限が厳しい傾向にあります。
また、お墓の構造上、遺骨を納められるスペースも限られていますので、祭祀承継者や関係者が問題無いと考えても、次男の遺骨まで納めるのは物理的に困難な場合もあります。
分家は新たにお墓を建てていくというのは、物理的な納骨スペースの事情もあるのです。
次男がお墓に入ることによって、本来入るべき方の遺骨が納められなくなるのは問題となりますから、納骨スペースのこともよくよく考えておく必要があります。
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まとめ
お墓について長男や次男はどこに入るのか?に関してお伝えいたしました。
いかがでしたでしょうか。
お墓に対する価値観も多様化していますし、各家庭・親族間で様々な人間関係があります。
実際のところは、一般的な慣習を踏まえたうえで、祭祀承継者が家族や親族と相談しながらケースバイケースで判断をしていくことになろうかと思います。
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