高齢者が免許返納するメリット・デメリットを解説!一部返納の選択肢もあり

近年高齢者ドライバーによる交通事故が社会問題になりつつあります。

 

2021年は全体のおよそ16%が高齢者ドライバーによる事故という結果に。

 

高齢者の事故は身体機能の低下による操作ミス、不注意が主な原因であり、運転に不安を感じてきた場合は、自主返納するのも一つの手です。

 

では、免許を返納することでどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

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免許を返納するメリット

事故を起こすリスクが無くなる

事故を起こすリスクが無くなる

運転をする機会が無くなれば、当然事故を起こすリスクは無くなるでしょう。

 

年齢を重ねると判断力が低下したり、視野が狭くなったり、どうしても若い頃と同じように運転することが難しくなってきます。

 

これはこれまでゴールド免許を貫いた優良ドライバーも例外ではありません。

 

むしろ自信があるからこそ、操作ミスを起こしてしまう懸念もあります。

 

節約につながる

節約につながる

車を保有していると「自動車税」「自動車保険」「車検」「修理代」など様々な費用が発生します。

 

こういった費用を全て合わせると月平均3万~4万円で、年間50万近く。

 

「便利だから車を持っているけど、維持費が高いな~」と思っている方は多いでしょう。

 

車を手放せばそういう費用から解放され、その分趣味や旅行に回すことが可能に。

 

欲しかったゴルフクラブを買ったり、夫婦で旅行に行く回数が増えたり、車を手放すことで生活の楽しみが増えることもあります。

 

運動不足の解消になる

運動不足の解消になる

車移動から徒歩移動主体になることで、運動不足の解消に繋がる場合もあります。

 

特に年齢を重ねると筋肉量も減少しやすくなるので、適度に歩いて運動することは重要です。

 

また、歩きながら日光を直接浴びることで、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を増やす効果も。

 

つまり、歩く機会が増えることで体も心も安定させることができるのです。

 

健康を維持することができれば、余計な医療費がかかることも少なくなるので、よりお金の節約に繋がるなんてことも考えられます。

 

特典が受けられる

特典が受けられる

運転免許証を返納する際は、申請することで運転経歴証明書を受け取ることができます。

 

この証明書は免許証の代わりに公的な本人確認書類として利用することも可能。

 

免許証と違い、更新する必要もありません。

 

また、この証明書を高齢者運転免許自主返納サポート協議会に加盟している企業・お店で提示することで、様々な特典を受けることができます。

 

主な特典

  • バス・タクシーの運賃割引
  • スーパー・百貨店などの購入代金割引
  • 商店街で使えるクーポン券
  • 飲食店のメニュー割引

 

なお、全国共通というわけではなく、加盟店は都道府県ごとに存在しているので、受けられるサービスは住んでいる地域によって異なります。

 

いくつか実例を紹介するので参考にしてみてください。

 

東京都の主な特典

銀河鉄道:銀河鉄道の路線バス1年間乗り放題「お達者定期」無料進呈

高島屋(新宿店・日本橋店・玉川店・立川店):自宅への配送無料(65歳以上の方)

帝国ホテル東京:直営レストラン・バーラウンジにて10%割引

ビッグカメラ:眼鏡・補聴器10%値引き

など

大阪府の主な特典

通天閣:一般展望料金を100円割引

天然温泉 こうわの湯:入浴料金を500円に割引

大阪モノレール:「モノレール沿線ぷらり1dayチケット」を100円引き

など

京都府の主な特典

株式会社クラシアン:水道修理やトイレのつまり除去などの料金を10%オフ

京都タクシーグループ:タクシー運賃1割引き(65歳以上の方)

東映太秦映画村:入村料を割引

など

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免許を返納するデメリット

移動手段を確保する必要がある

免許を返納すれば車を運転することができなくなるため、当然新たな移動手段を確保する必要があります。

 

公共交通機関が発達している地域ではそこまで問題にならないと思いますが、田舎の場合はそうはいきません。

 

自転車があれば日々の買い物ができるのか、地域によってはジャンボタクシー等による予約型集合タクシーやコミュニティバス、移動販売を実施している可能性もあるので、お住いの自治体の情報を確認しておきましょう。

 

また、シニアカーであれば免許無しで歩道を移動することが可能。

 

時速6km程度で大体早歩きくらいのスピードですが、歩行が困難になってきた場合はかなり重宝できるでしょう。

 

再取得の際は一から

一度免許を返納した後にやっぱり運転したいと思っても、すぐに再取得できるわけではありません。

 

再取得の際は運転免許試験を受験し、再び合格する必要があります。

 

以前免許を持っていたから適性試験と学科試験は免除というような一部免除もありません。

 

よって、試験をもう一度受けるのが億劫だなと感じる方は、完全に免許を手放す決断ができた場合に自主返納するようにしましょう。

 

ちなみに再取得の際には教習所に必ず通う必要は無く、運転試験場もしくは運転免許センターで受験することも可能です。

 

もちろん免許返納から期間が空きすぎていて、運転に不安を感じる場合は、初めて取得する方と同じように教習所に通うと良いでしょう。

 

一部だけ返納する選択肢も

「車の運転はもう止めようと思うけど原付バイクは使いたい」と考える方も多いでしょう。

 

そういう場合は一部の申請を取り消し、必要な免許だけ保持するという方法がおすすめです。

 

一部返納する場合は2パターンにあります。

一部取り消し申請

保有している免許のうち一部だけを取り消したい場合は、こちらの申請になります。

例えば、普通自動車免許はいらないけど、普通自動二輪車免許を保有していたいというようなパターンです。

一部取り消しと下位免許の取得申請

普通自動車免許を保有していると自動車だけでなく、小型特殊自動車や原付バイクも運転できますが、「自動車には乗らないけど、原付にはまだ乗りたい」という場合はこちらの申請です。

この手続きをすると免許の種類欄が「普通」から「原付」の表記に変更されます。

 

この一部取り消し手続きはお住いの運転免許更新センターや一部の警察署で申請が可能。

 

必ずしも全ての場所で申請できるとは限らないので、事前に居住地の警察のサイトで確認しましょう。

 

なお、一部返納の場合は運転免許を保持したままになるため、運転経歴証明書の発行はできません。

 

よって、免許返納による特典を受けることはできなくなります。

 

まとめ

免許を返納することで、節約に繋がったり、返納特典を享受できるなど様々なメリットがあります。

 

ただし、新たな移動手段を確保と再取得の場合は再試験を受ける必要があるので、その辺りを考慮して返納するか判断すると良いでしょう。

 

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