コロナによる生活環境・価値観の変化により、地方への移住の需要は日に日に高まっています。
移住を希望する人は若い世代に限らず、新しい土地で第二の人生を送りたいシニア世代の方も多いです。
とはいえ、地方自治体の移住支援を見ると若い世代に重点を置いたものが多く、シニア世代の方が移住相談しにくいのも事実。
そこで、今回はシニア向け移住支援があるおすすめの自治体をご紹介します。
目次
シニア向け移住支援がある移住先
北海道伊達市
基本情報
- 人口:32,546人
- 高齢者人口(65歳以上):12,459人
北海道伊達市は室蘭市の上、札幌市と函館市の中間辺りにある街です。
伊達市は【伊達ウェルシーランド構想】を策定し、
「高齢者が住んでみたいまち」
「女性・若者の働きがいのあるまち」
「働く人が住みたいまち」
この3つの目標を掲げ、積極的に人の誘致を行っています。
「高齢者が住んでみたいまち」という目標がある通り、高齢者が安全・安心に暮らせるまちづくりを進め、全国各地の高齢者が住みたいと思える街づくりに取り組み中。
そうした努力もあって市の介護・福祉施設が充実しており、老後の暮らしも安心です。
山・川・海に囲まれ、自然を満喫できる地域なので、リタイア後の移住先として人気が高いのも納得であります。
伊達市は札幌市からも近く観光に行きやすいのも魅力です。
車・電車ともに約1時間30分で行くことができます。
- 伊達IC~札幌北IC:1時間40分
- 伊達紋別駅~札幌駅(特急):1時間30分
自然溢れる伊達市の生活だけでなく、日帰りで都会の雰囲気も楽しめに行けるのはうれしいですね。
栃木県小山市
基本情報
- 人口:166,653人
- 高齢者人口(65歳以上):41,781人
小山市は栃木県の南部に位置し、宇都宮市に次いで県内第2の都市です。
小山市は栃木の主要都市ということもあり、JRの在来線は東北本線、湘南新宿ライン、両毛線、水戸線と4路線が乗り入れ。
さらに東北新幹線も乗り入れしており、都心や東北地方へのアクセスも良好。
中心地には大型商業施設が揃い、買い物に困ることはありません。
また、代表的な鬼怒川をはじめ、一級河川が4本流れており、その豊富な水源を生かした水田地帯が広がる街でもあります。
都心近くの落ち着いた街で暮らしたいという方にはうってつけの場所ではないでしょうか。
実は小山市は「シニアにやさしい街総合ランキング」(日経グローカル)で全国2位になっています。
1位板橋区、3位新宿区、4位荒川区と、東京都内の街が上位を占める中で、地方都市ではトップの成績。
「配食サービス(弁当の配達)」「移送サービス(自宅と医療機関の往復に使えるタクシー券)」「寝具洗濯乾燥消毒サービス」などの高齢者在宅福祉サービス。
「緊急通報装置の付与(急病時に迅速な対応を図るため)」「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧施術費助成(市指定の治療院で使える1枚800円のマッサージ券)」といった一般福祉施策も充実。
また、高齢者サポートセンターも充実しており、「高齢者サポートセンター小山」「基幹型地域包括支援センター兼高齢者サポートセンター小山総合」などがあります。
「介護保険のサービスについて話を聞きたい」「地域のシニア世代の集まりがあれば知りたい」などシニア世代の生活全般に関する事を相談可能です。
静岡県南伊豆町
基本情報
- 人口:7,765人
- 高齢者人口(65歳以上):3,776人
シニア世代の移住に人気の静岡県ですが、中でも南伊豆町はおすすめの自治体の一つです。
南伊豆町は伊豆半島の最南端にあり、東京までは特急で2時間半、車で3時間半の場所に位置しています。
弓ヶ浜、石廊崎、下賀茂温泉など人気の観光地も多いのが特徴です。
そんな南伊豆町は杉並区と連携し高齢者の移住支援を行うなど、シニア世代の移住に寛容な自治体と言えます。
1週間程度のお試し移住施設を用意している自治体はある程度多いですが、なんと南伊豆町は短期(1日~1カ月)、中期(1カ月~1年)、長期(1年~5年)の3段階に渡ってお試し移住を体験することができます。
まず短期では南伊豆町がどんなところか知るために、民宿・旅館・体験住宅などに低価格料金で1日~1ヶ月ほど滞在可能。
次に中期では町が管理する物件(敷金礼金なし)に1ヶ月~1年ほど滞在し、より町での生活をお試し。
そして、最後に長期では実際に町内の物件を賃貸し、1年~5年ほど滞在して生活環境を確認します。
町内物件を賃貸された方には5年間まで家賃の一部が助成されるので、すぐに移住を決めるよりもお得です。
なお、お試し移住期間中は特典として「お試し住民票」が発行され、この住民票を提示することで「伊豆急シニアパスポートの発行」「町営温泉施設での町民料金適用」「町立図書館の利用」などのサービスを受けることができます。
新潟県新潟市
基本情報
- 人口:810,157 人
- 高齢者人口(65歳以上):217,107人
新潟市は”アクティブシニア”というシニア世代向けの移住情報パンフレットを発行しているようにシニア世代の移住に寛容な街です。
万代、古町といった都会的な繁華街がある一方で、水田、海、川に囲まれるなど自然豊かな一面も持っています。
農業都市としてお米、野菜、果物の生産量は多く、長年港町として栄えたこともあり、水産物に豊富にあるのが特徴。
地産地消で食文化が充実しています。
新潟市では高齢者のおでかけ促進として「シニア半わり」という事業を実施しています。
公共交通の利用促進と健康寿命の延伸を目的に、65歳以上の方を対象にバスの運賃を半額にする事業です。
ご時世的に高齢になってくると免許を返上するのが主流になっていますが、もし免許を返上した場合でも安心して買い物することができます。
高知県高知市
基本情報
- 人口:320,722人
- 高齢者人口(65歳以上):97,373人
コンパクトな地方都市である高知市は路面電車が走り、夏はよさこい祭りが大きく盛り上がります。
市街地から車で30分程度で海や山に行くことができ、街と自然どちらも堪能できるのも特徴的。
そんな高知市は”生涯活躍のまち”を掲げており、中高年の移住にも積極的に取り組んでいます。
年に数回移住者交流会を開催しており、移住者同士の横のつながりを作ることも可能です。
高知県は人口10万人当たりの病床数・医師数・看護師数で全国1位の多さを誇っています。
その中心である高知市には多くの病院・診療所があり、老後の健康も安心。
また、休日や夜間でも診療可能な休日夜間急患センターも設置しており、医療体制が非常に充実しています。
移住を決める際には事前にその地域を知ることが重要になりますが、高知市では移住専門スタッフが移住希望者の予定に合わせて市街地をガイドしてくれるサービスがあるんです。
このサービスは予約制で無料で案内してくれます。
また、市街地の一宮と中山間地域の鏡にお試し滞在施設を用意しており、実際に高知の暮らしを経験することも可能。
移住を決める前に地域を知ることで、移住後のギャップをできる限り減らすことができます。
山口県下関市
基本情報
- 人口:248,236人
- 高齢者人口(65歳以上):90,824人
本州最西端に位置する山口県下関市もシニア世代の移住を積極的に支援している街です。
下関の特徴としてはやはり海産物に優れている点。
観光客で賑わう唐戸市場には山口の代表的な食べ物である”ふぐ”の他、さざえ、アジ、ヒラメ、タコ、うになど地元で取れる海産物をお手頃価格で購入できます。
魚介類が好きな方にとっては日々の食生活が楽しみなものになるでしょう。
また、山口県は大きな地震が発生する確率が低いことで有名な県ですが、その関係で下関市は海に囲まれていながら津波の心配が少ないのも魅力です。
下関は山口県の左隅に位置する福岡へのアクセスも抜群です。
福岡第2の都市である北九州には電車で10分ほど、博多駅にも新幹線で30分あれば到達します。
都市圏への利便性の良さも下関の魅力です。
大分県別府市
基本情報
- 人口:113,958人
- 高齢者人口(65歳以上):39,650人
老後は温泉がある街でのんびりしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが大分県別府市です。
別府は日本一の温泉地とも言われており、源泉数・湧出量(1分間に源泉から採取できる湯量)が全国トップ。
代表的な別府温泉の他、亀川温泉、堀田温泉など8つの温泉地があり、様々な泉質を堪能することができます。
また、湧出量が日本一だからこそ温泉付きの戸建て・マンションも多く、温泉のある生活を現実的にすることが可能です。
別府市は県庁所在地である大分市の隣に位置しており、大分駅には片道およそ10分で到着します。
鉄道3線、高速道路、フェリーなど高度な都市機能を持つ大分市は2015年にJR大分シティ(駅ビル)、県立美術館がオープンし、大型商業施設や文化芸術施設が充実。
大都市ほどではありませんが、駅ビルや商店街の活気もあるため、適度な賑わいを求めている方にはピッタリな街と言えます。
別府市では移住を検討している方を対象に、2件の移住施設を整備しています。
どちらも空き家をリノベーションした物件で、テレビ、ソファ、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などが備え付けのため、快適にお試し生活をすることが可能。
1泊5,500円で、3泊以上12泊以内の宿泊が条件です。
この施設は別府市シルバー人材センターが管理しており、50代以上の方が半数近くこの施設を利用しています。
まとめ
今回はシニア世代におすすめの移住先をご紹介しました。
- 北海道伊達市
- 栃木県小山市
- 静岡県南伊豆町
- 新潟県新潟市
- 高知県高知市
- 山口県下関市
- 大分県別府市
「人生100年時代」「生涯現役」という言葉が叫ばれる昨今、シニア世代の移住に寛容な自治体は増えてきています。
いきなり移住先を決めると移住後のミスマッチが起きやすいので、まずは自治体に相談をしたり、移住候補の街を訪れてみるのがおすすめです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
伊達市は年間を通しての降水量が少ないのが特徴です。
2008~2020年の年間降水量の平均はおよそ770m。
ほとんどの都道府県の年間降水量が1,000mm(全国平均1,624mm)を超えるので、かなり少ないです。
また、札幌に近いにも関わらず、北海道の中でも雪が少ない地域に分類され、雪かきの手間もさほどかかりません。
以上のように年間を通して天気が良く、温暖で過ごしやすいことから「北の湘南」と呼ばれています。